変形性関節症
古くから加齢に伴う軟骨等の変性に体重や運動による負荷が加わることで生じると考えられていました。最近は骨、軟骨、滑膜等の関節にある組織から産生される炎症性物質が関与すると言われており、遺伝的要因も言われています。荷重関節である膝関節 股関節に発症することも多いのですが、手指に生じた場合は関節リウマチとの鑑別が重要になります。
手指変形性関節症と関節
リウマチの違い
特徴 | 変形性関節症 | 関節リウマチ | |
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腫れ方の性状 | 硬い | 柔らかい | |
痛みや腫れ、 変形などの症状 |
第一関節 | 多い (へバーデン結節) |
なし |
第二関節 | あり (ブシャ-ル結節) |
あり | |
指の根元の関節 | まれ | あり |
痛風
結晶性関節炎の一種。関節内に尿酸の結晶が沈着すると、それに対する急性の関節炎として発症する。高尿酸血症が続くことで痛風は起きやすくなりますが、暴飲暴食や激しい運動などをきっかけに発症することも多くあります。足の親指の付け根の痛み 腫れで発症することが多いのですが、足関節周囲 膝関節などにも症状が現れることがあります。高尿酸血症状態が続くと、腎不全につながる恐れもありますので注意が必要です。
偽痛風
痛風同様に結晶性関節炎の一種で、ピロリン酸カルシウムの結晶が原因となります。高齢者によくみられる疾患で、膝 手関節 足関節等の関節に強い痛みと腫れが生じますが、発熱を主訴として医療機関を受診する場合もあります。関節周囲の軟部組織の腫脹 発赤が強い場合は感染症との鑑別が必要になります。また頚部痛で発症する偽痛風もあり(crowned dense syndrome)、高齢者の頚部痛では注意が必要です。
リウマチ性多発筋痛症
50歳以上の方が急に両肩痛や腰背部痛を訴えて受診されます。朝起きようとしたら両肩や背部が痛くて起きられなかった、などと言われます。血液検査では炎症反応が上昇している以外は異常を認めません。少量のステロイド内服で著効するのが特徴です。