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転倒・骨折を防ぐには?高齢者の自宅対策と熊本の整形外科相談

転倒・骨折を防ぐには?高齢者の自宅対策と熊本の整形外科相談

「ヒヤッとした」その経験が、見直しのきっかけになります


玄関のわずかな段差でつまずきかけた、庭仕事のあとに足腰が重い——そんな小さな変化に気づいたときが、住まいと体を整えるタイミングかもしれません。費用を抑えた自宅の工夫、続けやすい足腰の運動、そして熊本市周辺の整形外科で骨密度を確認するまでの流れを、整形外科の視点から整理してお伝えします。


この記事の要点まとめ


  • 自宅の段差や照明、履物を見直し、つまずきにくい環境を整える工夫を紹介
  • 椅子を使った立ち座りや片足立ちなど、無理なく続けやすい足腰の運動習慣を解説
  • 骨密度検査(DEXA法)の概要と、熊本での整形外科相談の流れを整理

高齢者が自宅で転倒しやすい主な原因と見直したい生活環境


転倒と聞くと外出時を思い浮かべる方が多いのですが、実際には住み慣れた自宅内で起きる割合が高いと報告されています1。年齢を重ねるとつま先が上がりにくくなり、体勢を立て直す反応もゆっくりになる。その二つが重なりやすいためと考えられています。


玄関や廊下のわずかな段差・敷物によるつまずきのリスク


築年数の経った木造住宅では、敷居やサッシのレールに数センチの段差が残っていることがよくあります。つまずきのきっかけになりやすいのは、大きな段差より「意識しない数センチ」といわれます。 玄関の上がりかまち、廊下と和室の境目、めくれたマットやカーペットの端、床を横切る電源コード、置きっぱなしの新聞や雑誌。毎日通る場所ほど風景に溶け込み、注意が向きにくくなりがちです。まずはご家族と一緒に、玄関から居間、寝室、トイレまでの動線をゆっくり歩いて確認してみてください。


大がかりな工事を伴わずにできる住まいの転倒防止対策


住宅改修は費用のご負担が気になるところですが、少額から始められる工夫も少なくありません。滑り止め付きマットへの交換、両面テープでカーペットの端を留める、市販の段差解消スロープを置く、コード類を壁沿いにまとめる。どれもその日のうちに手をつけられます。浴室には吸盤式のマット、トイレには据え置き型の手すりという選択肢も。なお要支援・要介護の認定を受けている場合、手すり設置や段差解消が介護保険の住宅改修費支給の対象となる場合があります。要件はお住まいの熊本市の窓口やケアマネジャーへご確認ください2


意外と知られていない室内照明の明るさと履物の選び方


年齢とともに、暗さへ目が慣れるまでの時間は長くなるとされます。夜間にトイレへ向かう動線に人感センサー付きの足元灯を置いておくと、足元が見えやすくなるでしょう。履物も見直したいポイント。かかとが覆われず脱げやすいスリッパは、つまずきの一因になることがあります。かかとを包み、底に滑り止めのある室内履きや、滑りにくい靴下のほうが足元は定まりやすいものです。屋外用の靴も、底がすり減っていないか一度ご確認ください。


自宅で無理なく続けられる足腰の筋力維持と転倒予防の運動習慣

自宅で無理なく続けられる足腰の筋力維持と転倒予防の運動習慣

環境を整えることと並んで大切なのが、体そのものを支える力を保つことです。運動器の機能低下は生活の質に関わるため、日常のなかで少しずつ体を動かす習慣が推奨されています3。特別な器具は要りません。


椅子を使った立ち座り運動と下肢筋力の維持


太ももの前側にある大腿四頭筋は、立ち上がりや歩行の安定に関わる筋肉とされます。ぐらつかない椅子に浅く腰かけ、両足を肩幅に開いて、ゆっくり立ち、ゆっくり座る。反動をつけず、3秒かけて立ち、3秒かけて座るくらいの速さが一つの目安です。回数よりも、動作の丁寧さと毎日続けられる量を優先してください。 はじめは5回程度から、慣れてきたら10回を1セットとして朝と夕に分ける、といった進め方が現実的でしょう。ふらつきが気になる方は、机や壁に手を添えて行ってください。


バランス感覚を養う片足立ちトレーニングの注意点


転倒には筋力だけでなく、姿勢を保つバランス機能の低下も関わるといわれます。片足立ちは自宅で取り組みやすい方法のひとつ。必ず机や壁、手すりに手を添えられる位置に立ち、床にものがないことを確かめてから始めます。片脚を床から数センチ浮かせ、無理のない範囲で保持し、左右を入れ替えましょう。時間を目標に据えるより、ふらつきを感じたらすぐ足を下ろすことが前提です。畳やじゅうたんの上など、万一のときに衝撃が和らぐ場所を選ぶとよいですね。


運動を始める前の体調確認と無理をしない判断基準


膝や腰に強い痛みがある日、めまいやふらつきがある日、血圧が普段と大きく違う日は、思い切って見送る判断も必要です。運動中に痛みが増す、息切れが強い、動悸がする——こうしたときは中止してください。持病の治療中の方や痛みが続いている方は、自己判断で負荷を上げる前に整形外科でご相談を。当院では超音波診断装置を用いて関節や腱の状態を確認しながら、患者様一人ひとりの体力に見合った運動の進め方をご説明しています。


骨の健康状態を把握する重要性と熊本の整形外科での受診手順


同じように転んでも、骨の状態によってその後の経過は変わり得ます。だからこそ、ご自身の骨の状態を数値で知っておくことに意味があります。


転倒による骨折リスクを高める骨粗しょう症と骨密度の関係


骨粗しょう症は、骨の量が減り、内部の構造がもろくなった状態を指します3。とくに閉経後の女性は女性ホルモンの変化で骨量が減りやすいとされ、加齢と重なることで、しりもちをついた、手をついたという程度でも大腿骨近位部や手首、背骨の骨折につながる場合があります。注意したいのは、骨がもろくなる過程そのものには自覚症状がほとんど現れにくいという点です。 一度骨折すると次の骨折が起こりやすくなる「骨折の連鎖」も指摘され、脳卒中になぞらえて「骨卒中」という言葉で注意が呼びかけられる場面もあります。


DEXA装置による骨密度検査と整形外科での相談の流れ


骨密度の評価方法はいくつかあり、腰椎と大腿骨を対象とするDEXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)は、骨折が起こりやすい部位を直接測定できる方法として広く用いられています。当院では骨密度測定装置(DEXA)を備え、問診と診察、必要に応じたレントゲン撮影、骨密度測定という流れで骨の状態を確認しています。検査は検査台に仰向けで寝ていただく形で行い、短時間で終わります。結果は同年代の平均値や若年成人平均値に照らして示されるため、ご自身の位置づけを把握しやすいでしょう。その数値をもとに、食事療法・運動療法・薬物療法をどう組み合わせるかを、一人ひとりの生活に合わせて相談していきます2


熊本市で受診を検討する目安となるセルフチェック


次のような変化に心当たりがあれば、一度ご相談ください。


  • 若い頃より身長が2cm以上低くなった気がする
  • 最近つまずくことや、ふらつく回数が増えた
  • 背中や腰が丸くなってきた、背中に重だるさがある
  • 65歳以上の女性、または閉経後で骨密度を一度も測ったことがない
  • ご家族に大腿骨や背骨を骨折した方がいる

熊本市では地域のいきいきサロンや百歳体操など、体を動かす場が身近にあります。そうした活動と、医療機関での客観的な評価。この二つを組み合わせることが、住み慣れた家で長く過ごすための現実的な備えにつながります。ふくだ整形外科は益城町にあり熊本市東区に隣接しているため、熊本市東部にお住まいの方にもお越しいただきやすい立地です。骨密度が気になる方は、まず受付までお問い合わせください1


よくある質問


Q1. 高齢者の骨折予防には、どのようなことがありますか?


A. 大きくは「転びにくい環境づくり」「体づくり」「骨の状態の把握」という3つの視点があります。住まいの段差や敷物の整理、足元の明るさの確保、下肢の筋力とバランス機能を保つ運動、そしてカルシウムやビタミンD、たんぱく質を意識した食事が土台になります。あわせて骨密度検査で現状を数値として知っておくと、取り組みの優先順位を立てやすくなるでしょう。


Q2. 転倒による骨折を防ぐために、まず何から始めればよいでしょうか。


A. 費用がかからず今日から取り組めることで構いません。玄関マットやカーペットの端を固定する、床のコード類をまとめる、夜間の動線に足元灯を置く、かかとの覆われた室内履きに替える。この4点だけでも、つまずく機会を減らしやすくなります。そのうえで、椅子からの立ち座り運動を毎日の習慣に加えていきましょう。


Q3. 熊本市で高齢者が無料または低額で利用できる施設や取り組みはありますか?


A. 各区の地域包括支援センターが介護予防や健康づくりの相談を受け付けており、地域のいきいきサロンや百歳体操といった住民主体の通いの場も各所で開かれています。会場や開催日は地域ごとに異なるため、お住まいの区の窓口や地域包括支援センターへお問い合わせください。骨粗しょう症検診など市の検診制度についても、あわせて確認されるとよいでしょう。


Q4. 骨密度検査は痛みを伴いますか。どのくらい時間がかかりますか?


A. DEXA法による測定は検査台に仰向けで寝ていただいた状態で行い、機器が体を強く圧迫することはありません。所要時間は測定部位にもよりますが、おおむね数分程度です。診察や他の検査を含めた全体の所要時間は、受診時にご案内いたします。


Q5. PRP療法は熊本で受けられますか?


A. PRP療法はご自身の血液から採取した成分を用いる自由診療(公的医療保険適用外・全額自己負担)で、実施している医療機関は熊本県内にもあります。適応となる状態や費用、想定される経過、注射部位の腫れや痛みといった起こり得る反応は医療機関ごとに説明内容が異なります。当院では膝関節の症状に対してクーリーフ治療(高周波を用いた治療)などの選択肢をご用意しており、症状や画像所見をふまえて、どの方法を検討できるかをご説明しています。ご関心のある方は診察時にお尋ねください。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 厚生労働省(政策・健康情報の入口) https://www.mhlw.go.jp/

3. 公益社団法人 日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/


福田朋博

医師


ふくだ整形外科

院長

福田朋博

▶ 監修者プロフィール

経歴
熊本県立熊本高等学校卒業
平成10年3月 帝京大学 医学部卒業
平成10年5月~平成11年3月 熊本大学医学部附属病院
平成11年4月~平成12年3月 宮崎県立延岡病院
平成12年4月~平成13年6月 熊本中央病院
平成13年7月~平成18年2月 公立玉名中央病院
平成18年3月~平成18年10月 福田外科胃腸科医院
平成18年11月 ふくだ整形外科開業
資格・所属学会
日本整形外科学会専門医(日本専門医機構)
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会認定スポーツ医
リウマチ財団登録医
日本AKA医学会専門医
身体障害者福祉法第15条指定医師(肢体不自由)
難病指定医