「腰が痛くて歩けない…」「なかなか腰痛が治らなくてつらい…」
腰痛の中には、歩けないほどの痛みや、身の回りのことを自分でできなくなるほどの痛みが出るものがあります。
腰痛が強かったり長引いたりしている場合、骨や関節に不調が起こっているサインかもしれません。
この記事では、歩けないほどの痛みが出る腰痛について、原因となる病気を詳しく解説します。
■歩けないほどの腰の痛みが出る原因とは?
歩けないほどの腰痛が出現している場合、以下のような腰の病気・ケガが生じている可能性があります。
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急性腰椎症(ぎっくり腰)
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腰椎椎間板ヘルニア
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腰椎圧迫骨折
これらの病気やケガでは、慢性的な腰痛よりも強い痛みが発生し、体を起こしていられなくなる場合があります。
立っていられないほど腰が痛むのは、背骨そのものに問題が生じていたり、背骨の中を通る神経が傷ついていたりするためです。
■急性腰痛症(ぎっくり腰)
急性腰痛症とは、いわゆる「ぎっくり腰」のことであり、急激に強い腰痛が生じた状態を指します。
腰に負担のかかる動きをしている間に発生する場合もあれば、朝目が覚めたら突然痛みが出る場合もあり、明確な原因やきっかけはありません。
急性腰痛症の場合、X線検査やMRI検査などでも明らかな異常が見つからない場合も珍しくありません。
骨や関節、筋肉や靭帯など、腰を支えている組織に何らかの問題が生じ、強い痛みが出ると考えられています。
ほかの病気と異なり、しびれや感覚の麻痺(まひ)が見られないこと、検査で異常が見られないことなどから、急性腰痛症と診断されます。
急性腰痛症は、時間の経過とともに徐々に症状がやわらいでいきます。
コルセットを着用して安静にするほか、痛み止めの内服やリハビリテーションによる痛みの緩和などにより、痛みが引くのを待つのが一般的です。
■腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にある「椎間板」と呼ばれるクッションが破裂して中身が飛び出し、背骨の中を通る「脊髄神経(せきずいしんけい)」を圧迫する病気です。
腰椎椎間板ヘルニアになると、腰やお尻あたりに痛みが出るほか、下半身に強いしびれや痛み、感覚の麻痺などが出現する場合があります。
特に足の痛みが強く出現し、長時間座っていられなかったり、長い距離を歩くのが困難になったりする方も多いです。
腰椎椎間板ヘルニアになる原因は、背骨を曲げて生活するような「姿勢の不良」や、重い物を持ち上げたり、かがんだりする「腰に負担のかかる動き」などを繰り返すことです。
腰の骨に体重がかかり続けたり、負担のかかる姿勢で生活し続けると、椎間板が劣化して破裂してしまいます。
治療方法としては、コルセットを使用しながら痛み止めを服用し、安静にする「保存療法」が一般的です。
痛みが強く寝たきりになっていたり、神経が障害されて足が動かなくなったりする場合には、すみやかに手術を行うケースもあります。
■腰椎圧迫骨折
腰椎圧迫骨折は、腰椎が骨折して潰れてしまった状態を指します。
骨が脆くなっている方の背骨に強い力が加わることで発症するケガの一種です。
特に転倒や尻もちをつくなど、脊椎が圧迫を受けるような力が加わった場合に発症すると言われています。
高齢の方や「骨粗しょう症」の方などにより骨が脆くなっている方のなかには、軽く転んだだけで腰椎圧迫骨折を引き起こす方もいます。
主な症状は腰痛ですが、稀に骨折した骨が神経に影響し、しびれや下半身の麻痺を生じる場合もあります。
基本は安静にして骨がくっつくのを待ちますが、深刻な神経症状が出ている場合は手術も必要です。
■腰痛の原因に悩んだ時の対処法
歩けないほど強い腰痛が出た場合、早めに整形外科を受診して検査を受けることをおすすめします。
急性腰痛症ならそれほど心配はありませんが、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎圧迫骨折が原因の場合、悪化して神経に影響が出る可能性も。そのため、早期の発見と治療が重要です。
腰痛の原因を明らかにし、保存療法や安静、手術など、自分の腰痛に合わせた適切な治療を受けることで、日常生活へすみやかに復帰できるでしょう。
■腰痛で歩けないときは早めに整形外科へお越しください
歩けないほどの腰痛が出現した場合、背骨の骨折や椎間板の異常など、腰の病気やケガが生じている可能性があります。
我慢していると悪化してしまい、治療が遅れる可能性もあるため、強い腰痛を感じた場合は早めに整形外科へ相談してください。
『ふくだ整形外科』では、腰痛の検査や治療を提供しています。
腰痛に悩んでいる方や、慢性的な腰痛を抱えており不安な方は、お気軽に当院へご相談ください。